- Column -

フルート・コミュニケーション[7]

ソロイスツの演奏会で配布するミニ新聞に掲載された気ままなコラムです

ホーム  ソロイスツ  後 記  コラムINDEX

[ Vol.1〜Vol.6 ]  [ Vol.7〜Vol.12 ]  [ Vol.13〜Vol.18 ]

[ Vol.19〜Vol.24 ]  [ Vol.25〜Vol.30 ]  [ Vol.31〜Vol.36 ]

[ Vol.37〜Vol.48 ]  [ Vol.49〜Vol.72 ]  [ Vol.73〜  ]


Vol.37:夢

Vol.38:作曲もするヴィルトゥオーゾ

Vol.39:近況などを。。。

Vol.40:おでん

Vol.47:お久しぶり、でも、また食べること(5/20)

Vol.48:悪 夢(6/24)


フルート・コミュニケーションVol.37-1999.6/30(Fri.)

(クライス・フルート・ソロイス Vol.37)

−夢−

 夢、と言っても将来への願望のことではない、寝ているときに(また、図らずも気を失っているとき)見る「ゆめ」の事である。

 見る夢の「意味」については、「深層心理が出てくる」、「日頃の願望だ」、など諸説様々あるようだが、案外大した意味はないのかもしれない。深層心理についても願望についても、つまりは いつも気にしている 事柄が夢に現れる、と言うことなのだろうが、私には、美女に囲まれプールサイドで食事をしている、とか、2000人の聴衆の前でリサイタルを開催する、などと言うことが夢に出てくることはまず無い。どうしてなのだ。たまには見てみたい。

 いつも見る夢は、つまらない、いや、おぞましい夢ばかりだ。洞窟を探検中突然妖怪に追いかけられる。逃げようと必死に走るのだが、足は空転して前へ進まない。天才バカボンの、レレレのおじさんのようだ(わかりますか?)。演奏会本番の日、幕が上がり演奏を始めようとフルートのケースを開けるが、中に楽器が入っていない。ゲネプロは一体どうしたというのだ!正気な時に考えれば実にばかげた内容なのだが、夢の中ではつじつまが合っている。実に不思議であり、理不尽だ。そんな夢を先日も見た・・・・・・・

・・・・・今日は本番の日である。大きなホールでのちゃんとした演奏会なのである。しかし行ってみると、そこは体育館の様な場所。舞台がやけに高く、客席はフラットで、係員が椅子を並べるべくゴムのシートを敷いている。期待はずれにがっかりしながら楽屋へ入り、一服しようとすると、「時間です、急いで舞台へきて下さい」と呼ばれ、蝶ネクタイを首に引っかけたまま走る。今日はフルーティストとしての仕事なのだが、演目はブラームスのピアノ五重奏だ。ワイフがピアノを担当する。ボクは何をすればいいのだろうと舞台を見ると、メンバーはちゃんと着替えてピッチを合わせている。客席は満席だ。会場は、いつの間にかサントリーにも負けない立派なコンサートホールになっている。よく見ると、ワイフは第一ヴァイオリンの席に座って「ギ、ギ、ギー、コ」と涼しげに調弦している。係員は早くピアノへ座れ、と命令する。え?ピアノ?バイエルしか弾けないよー、と焦りまくる・・・・・

・・・目が覚めた。心配して焦っただけの夢だった。いつもこんな調子なのである。つまらない。案外、私は心配性なのかもしれない。待ち合わせには早く着く方だし、出かけるときもドアのカギを閉めてから何度も火の始末や窓のカギの点検に戻るし、強迫神経症かな?と思うことだってある。演奏は性格がよく出るって言われるから、皆さん、うお気づきですよねっ!

 私は、案外 繊 細 な神経の持ち主なんですね、はい。

M.K.

Top  後記VOL.37  INDEX  ソロイスツホーム


フルート・コミュニケーションVol.38-1999.8/21(Sat.)

(クライス・フルート・ソロイス Vol.38)

−作曲もするヴィルトゥオーゾ−

 過去にも当シリーズでは、ベーム、ブリッチャルディ、ドップラーなどの”作曲もするヴィルトゥオーゾ”達を取り上げてきました。これらヴィルトゥオーゾ達の作品は、どれも華麗なテクニックを披露し、華やかな音楽は何時も聴く者を驚嘆させてしまいます。現代フルートのメカニズムの基礎を考案したベーム(だからベーム式フルートと呼ばれる)、ブリッチャルディ・キーを考案したブリッチャルディ、そのフルートを兄弟で駆使し、ヨーロッパ中に華麗なテクニックを披露したドップラー。その誰にも輝かしい業績を残したイメージがありますね、私だけでしょうか。

 本日のプログラム、チァルディ、ケーラー、アンデルセンには、曲そのもの以外に彼らの人生に興味がわきます。チァルディとケーラー親子はイタリア生まれですが、共にロシアで活躍しています。特にチァルディとE.ケーラーの父ヨーゼフは、ほぼ同時期にロシアで活躍している。かつてバロック時代に、イタリア人の音楽家がスーパー・スターだったように、アンナ女帝やエカテリーナ二世の時代(18世紀後半)に始まったヨーロッパ音楽の”輸入”がまだ続いていた、と言うことなのかも知れません。しかし、温暖なイタリアから寒いロシアへ行って大丈夫だったのでしょうか。ろくな暖房もなかった時代、体だけではなく心まで寒〜〜くなることもあったでしょう。そう考えると、ケーラーの「ロシアの想い出」は楽しいことの根底に暗い気持ちが聞こえてきそうです(←考えすぎ)。それとこのタイトル少し妙です。ケーラーは亡くなるまでロシアに留まりましたが、「想い出」というからには、もしかしたらイタリアに帰る意思もしくは予定があったのかも知れない。ますます可愛そうなケーラー、、、、、ドラマの見過ぎです、ワタクシ。

 アンデルセンにはもっと悲しい出来事がありました。生誕の地コペンハーゲンで活躍していたアンデルセンは、34歳の時にベルリンへ向かいます。そこで、あのベルリン・フィルの創設メンバーに加わり、ベルリン・フィルの初代首席奏者となります。指揮者の代役を務めたこともあるらしい。まさに順風満帆ですが、ある時オケをやめてコペンハーゲンに戻ってしまいます。その理由が「舌に問題のある健康上の理由」だと言うのです。舌に問題があってはタンギング(音の出だしの奏法−重要!)にも深刻な影響があったでしょう。

 そんな思いを馳せながら演奏したいと思います。

M.K.

Top  後記VOL.38  INDEX  ソロイスツホーム


フルート・コミュニケーションVol.39-1999.9/25(Sat.)

(クライス・フルート・ソロイス Vol.39)

−近況などを。。。−

 時間がありません。つまり忙しい。その理由はといえば、仕事がたくさん来すぎているのか、レッスンに来た生徒達が なかなか帰らず居座る のか、インターネット やりすぎ なのか。。。。。今月など、休みが1日もありません。非人道的です(泣)。公開しているホームページの更新もままならない。1年以上も放ってあるページがあるほど。いかんなあ、来てくれた人に申し訳ない、と、夜も眠れず苦悩する毎日です(笑)。ああ、1日中ごろごろしていたい。

 理由はどうあれ、こういう時ってストレスが溜まるんですよねえ。そろそろ気持ちの良い季節ですのでのんびりドライブでもしてみたい、自分の好きなことを時間を気にせず熱中したい、、、でもそれは叶わぬ夢、だからとっても危険、なのですよ、これが。

 何故って、人間溜まったストレスはどこかで吐き出すように出来ている。私の場合は・・・「食べる」ことと「買う」こと、つまりやけ食いと浪費。ああ。お腹が減っていなくても何か食べないと気がすまない。末期的症状です。ご飯を1膳食べただけでお腹一杯になると癌ではないか、と心配する始末、誰かこの食欲を止めて下さい!

 もう一つが物欲。これは誰にでもあるものです。正常 なときは、財布の中身と理性が働き衝動買いなどしませんが、ストレスが溜まると情況は急変します。特に「あれ欲しいな〜」と何となくでも思っているものがあるとアウトです。地獄への坂道が 初心者用ゲレンデ くらいに傾きます。

 実は以前より最新型のデジタル・カメラが切実に欲しくなってきました。ホームページの画像はもちろん、印刷の版下にも使えそうな高画質、経費の節約になる、使い捨てカメラの変わりに使えて、みんなでテレビで見ることが出来る、と、着々と 大義名分 を無意識に考えるようになったのです。この時点でゲレンデの傾斜はまだ 中級程度 のものでした。

 と、タイミングがイイというか、悪いというか、、、良いのが出たんですね、今月。またまたタイミングの良いメールが・・・生徒の Iクン からで「せんせいっ、良いデジカメ出ましたね!買うしかないですね、一緒に予約しに行きましょう」。。。。。ここで一気にゲレンデの傾斜が急になります、もう、コブがある 上級者専用ゲレンデ になり、それこそ滑るように落下していくのでありました。

 ええ、カミさんには値段のことは 内緒 です。言えませんとも、安いDOS/Vパソコンなら3台分買えちゃうだなんて!

M.K.

Top  後記VOL.39  INDEX  ソロイスツホーム


フルート・コミュニケーションVol.40-1999.10/16(Sat.)

(クライス・フルート・ソロイス Vol.40)

−おでん。−

 秋ですねえ。このところ、めっきり涼しくなりました。まだまだ残暑(と言って良いのか?)の厳しい日もありますが、それでも朝晩などとても気持ちがよい。日中気温が上がっても風は秋そのものです。窓を全開にして車を走らせていると、どこまでもどこまでも走り続けたくなってしまいます。街を歩いてみると服装にも季節感が現れていますね、厚 着 も新鮮です。私はというと、やっと半袖姿で気持ちの良い季節になった、というところでしょうか(笑)。

 時折コンビニへ行く事があります。中華まんとおでんが、レジの横で我々が主役だとばかりに 鎮 座 しておられます。ああ、もうそんな季節か、と思いつい買ってしまいます。いえ、私が食い意地が張っているのではなく、商売がうまいのですね、きっと。お陰で私の頭の中は一気に秋冬モードとなり、胃の活動がとても活発になってしまいます(笑)。

 我が家の食卓にも秋が訪れ(食費のことではない、念のため)先日とうとう おでん が登場いたしました。家は3人家族ですが、5人家族のお宅から 大きすぎる という理由で引き取らせて頂いた大きな土鍋にいっぱい作ります。味付けは、骨付きの鶏肉と昆布、それに塩だけ。素材の持つ風味を最大限に尊重しようと言うわけです。揚げ物などはいったん湯通しし余分な油を取り去ります。素材の味が生きた、さっぱりとしたおでんが出来上がります。最近では新種のタネもあるようですが、やはり定番は押さえておきたい。私の定番は大根とちくわ、これが入っていなければおでんとは言えません!

 おでんという食べ物は、いわばごった煮。様々な素材の味が複雑に絡み合い豊かな味を創り出します。おもしろいですね、個々の素材にはそれぞれに独自の味があり、十分個性的です。それらの個性を混ぜ合わせると新たな個性が生まれるわけですから、料理とは不思議なモノです。まるで人間社会のようですねえ、我々クライス(これをお読みになっている皆さんもクライスですヨ)の皆さんもそれぞれ個性がありますね、でも全体としては1つのカラーがあります。個性が強すぎる?方もいるというのにね!(誰とは申しませんが)ええ、わかっていますとも、まわりに気を配ってくれているのですよね。。。

。。。ごちそうさまでした、我が家のおでん君達は、けなげにも何一つ不平不満を言わず、おとなしく私の胃袋に収まってくれるのでありました。。。

M.K.

Top  後記VOL.40  INDEX  ソロイスツホーム


フルート・コミュニケーションVol.47-2000.5/20(Sat.)

(クライス・フルート・ソロイス Vol.47)

−お久しぶり、でも、また食べること−

 先日、あるイベントのために北海道へ行って来ました。札幌に入り友人のフルーティストと共に車でイベント開催地の釧路に向かいました。釧路は28年前に家族旅行で行ったことがあり、その時の印象は「町中が魚の匂いがする」でしたが、久しぶりに言ってみると町は大きく変貌し、魚の匂いがしない都会でした。

 札幌滞在も含め北海道には5泊しましたが、滞在中毎日雨で寒く、日中は良くて13度、夜は5度以下になり、暑がりの私もさすがに寒く感じました。(私が東京へ戻るとまた雨、北海道はいい天気、日頃のおこないの何と良いことか!!)だって、吐く息が白いんですよー、東京の冬とたいして変わりません。海水浴は少ししか楽しめませんね、とイベントのスタッフに言うと、海水浴なんて誰もしません、という答えが返ってきました。ああ、何と日本の広いことか。気候は寒くても人は温かい。初対面なのに気さくに楽しげに歓迎してくれます。

 札幌から釧路までは約400kmあり、高速を使っても5時間かかる距離ですが、札幌−釧路間は殆ど高速がありません。今回は全て一般道です。それでも(途中豪雨の中)6時間ほどで着いたのは北海道の快適な交通事情があるからでしょう(平均スピードを計算しないでください)。なぜ車で移動したか、それは、行く途中にあるその土地の名物を 食べる ためなのです!

 釧路は札幌から見るとほぼ真東に位置します。行きはその途中にある帯広を経由して行きました。帯広には、豚丼 の元祖の店がありそこを外すわけにはいきません。厚めにスライスされた豚肉に焼き鳥のたれに似た味付けでソテーされた肉が丼を覆い尽くしきれず はみ出て います。ここで明日からのイベントへ向けて闘志が沸き上がります。

 釧路に着いて一仕事し夕食は海の幸を食べに町へ繰り出します。お酒のつもりでウーロン茶を飲みながら、カニの刺身や2日連続のお寿司を 死ぬほど 食べました。ますます闘志が湧いてきます。

 翌日は主宰者と交流会。その前に腹ごしらえしておこうと釧路ラーメンを食べ、交流会で予想に反して沢山あった食べ物を食い散らかし、その後高級寿司屋へ連れて行って貰い3日連続のお寿司をやけくそのようにつめこみ、確実に太って いくのを 実況中継のように 感じ取っていました。ここで、明日のコンサートの結果を憂い、さっさと寝たのでした。イベントは、スタッフの皆さんの献身的な努力で大成功、こんな素晴らしい会に呼んで頂けて幸せでした。

 札幌への帰路も 2カ所 でラーメンを食べたのは言うまでもありません(そのためにわざわざ遠回りして、旭川経由で札幌へ帰りました)。

 あ、翌日東京へ帰る前にもラーメン屋さんへ行きましたが。

M.K.

  後記VOL.47  コラムINDEX  ソロイスツホーム


フルート・コミュニケーションVol.48-2000.6/24(Sat.)

(クライス・フルート・ソロイスVol.48)

−悪 夢−

 日頃の行いが良いのか悪いのか、天使のように安らかに眠っているべきなのに悪夢を見る。最近特に多いのだ。ハッキリ覚えているぐらいだからその夢のインパクトは計り知れないのである。いやだ。縁起が悪い。

 最近見た悪夢は人を殺す夢だ。別に殺したいほど嫌っている人が実在するわけではない。夢の中で私はスーパースターとしてマスタークラスの講師に招かれる。スーパースターなのに休憩中に出された飲み物は缶ジュースであった。飲み終えた空き缶をゴミ箱に投げ捨てようとしたら運悪く側にいた男性(髭はない)の頭に当たってしまい、その男性が死んでしまう。運が悪いでは済まされない、、、という夢。ラストシーンでは、警官が私に向かって「おまえのホームページを削除してやる」と言い放つのだ。まさに、ホームページの管理に日々苦悩している実体験が夢に出た形だ。

 続けてみた夢もスーパースターとして地方の演奏会に招かれた夢だ。そこはさびれた地方都市で厚い雲が垂れ籠め、とうとう雨が降り出した。不吉である。案内されたホテルはとても立派なシティーホテルなのだが部屋は相部屋であった。何故かフルートを組み立て机の上に置き、何故か居合わせた知り合いに楽器を見張っておくよう頼み町へ散策に出る。外は冷たい雨が降り注ぎ心も冷えてすぐホテルに引き返したのだが、部屋に戻ってフルートを見ると、、、へこんでいる!ぼこぼこになっているではないか。頭部管の部分など、雑巾を絞ったように捻れている。足部管などはU字管のようにひん曲がっている。。。目覚めてもとても夢とは思えない程リアル。レッスン室に走って行き楽器の無事を確認したほどだ。まあ、夢だから、本当に良かった。

 それが夢ではないこともある。先日ある個人病院でコンサートがあった。今度はスーパースターではない。現実なのである。前夜から激しい吐き気と悪寒、腹痛も始まり最悪。何も食べられない。殆ど眠れないまま本番当日、まだ気持ちが悪い。キャンセルし損なった生徒が来てやむなくレッスン、そして本番へ。げろげろな気分で何とかGPを終える事が出来た。その病院は私のお弟子さんにして主治医の病院。遠慮する(嫌がる)私を強制的にベットへ連れて行き点滴が始まった。。。

 おかげで開演が15分遅れてしまったのだが、点滴を打ちつつも本番をこなしてしまうとは、やはり私はスーパースターになる資質があるのだな。いや、その前に日頃の不摂生を改めなくてはいかんな。。。

M.K.

  後記VOL.48  コラムINDEX  ソロイスツホーム


Next


- INDEX -
新着情報
クライス演奏会案内
演奏会の記録と後記
コラムとエッセイ
最新の更新情報です
コンサート・ガイド

上坂 学・室内楽シリーズ

クライス・フルート・ソロイスツ

シリーズ「フルート三昧」

まだあるクライスコンサート

RealAudio・Webコンサート

上坂 学・室内楽シリーズ
記録 後記

クライス・フルート・ソロイスツ
記録 後記

シリーズ「フルート三昧」
記録 後記

コラム

「つれづれに」

クライスと仲間たち
みんなのひろば
Attention!
クライスって?上坂学って?

Pf.近藤 盟子−Profile

私たち"クライス"です

T.Orii 写真館

MoriMoriのMIDIオケの部屋

ゲストと音楽仲間

フルートの悩みはここで解決!   なんでも質問箱

フルート・クライス掲示板

ゲストブック   演奏会へ行こう!

なんでもメール   クライス談話室

お好きなフルーティスト&フルート音楽人気投票

クライス・スタート!

Attention! 告知掲示板

リンクのページ

ご来場プレゼント

演奏依頼・演奏会企画

困ったときは・・・

ホームページ内検索

HOME

PLEASE MESSAGE to KREIS.